近ごろはフィルム交換も好きなくらい。ライカM3との日々。

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ライカM3のフィルム交換はご覧の通り、ちょっとした手間がかかる。普通の一般的なフィルムカメラなら背面をパカっと開けるだけだから、道端で立ったままでフィルム交換できるけど、M3の場合はこうしてベンチをテーブルにしてカメラの底蓋部分を開け、独特のフィルム差し込みを行なったりしなくてはならない。でも、近ごろこの行為がなんとも愛おしくなってきた。フィルム交換に慣れてきたのもあるけど、ひとつひとつの儀式というか行為でこの精密な機械の感触を確かめることができるから、僕にとってはフィルムレバーを巻き上げる感触やシャッタースピードダイヤルを回す感触、シャッターボタンを押す感覚と同じ種類と思えるようになったんだろうね。先日、YouTubeで見た「名機の肖像」の中でカメラ修理家の早田さんが言ってたけど、ライカのネジなんかはとても精巧な造りで、緩め始めは硬いんだけど、一旦緩むとあとは滑らかに外れるんだって。そういう機械工作の一端がこうして写真を撮るたびに体験できる。半世紀以上前のコストを度外視した匠たちの息遣いが感じられる。これは男なら(女性もか笑)まずヤラれる機械感なんだよな。そうやって、ひとつひとつの行為を確かめながら、露出をとりながら一枚一枚撮るから、GRデジタルのようにはヒュンヒュン撮れない。いや、撮れないじゃなくて、撮らないか。とてもゆっくりした時間が流れるんだ、静かにあのコトッとささやくシャッター音のように。いかん、ライカを語り出すといつも饒舌になるな笑。

そういえば近ごろ、体内露出計が起動し始めたような気がする。目の前のシーンを見てだいたいの露出(絞り値とシャッタースピード)が想起できるようになってきた。まず頭の中で露出値をイメージして、それから露出計でその値が合っているか確かめる。すると、だいたい合ってるようになってきた。これはうれしい。業務用100で撮りまくっているおかけだ笑。ネガフィルムはラティチュードが広いから多少露出値がズレても寛容に現像できる。だから、正確じゃなくてもだいたい露出が合うようになれば露出計を一枚一枚撮る前に見る手間はなくなる。プロはそうはいかないだろうけど、僕らアマチュアはそれで十分。そう考えると、フルマニュアルの機械式カメラのほうが撮る行為はシンプルで、シャッタースピードを決めて絞りを合わせたら(デジタルの時は絞り優先でシャッタースピードを合わせてたけど、フィルムになってからシャッタースピード優先で絞りを合わせるような意識になってきた)、あとはピントを合わせてシャッターボタンを押すだけ。ISO感度はフィルムを入れた時点で変えられないから、撮る時にやる行為としてはたったこれだけなのである。どうかな?シンプルでしょ。こういう露出の理屈がわかってきたら、デジタルで撮る時もきっと意識が変わってくるだろうな。僕はやがてデジタル一眼を買い直すかもしれないけど、その時は安くて軽量な中古カメラでこういう露出を楽しむマニュアル撮影がしたいと思っている。おかげさまでレンズもマニュアルフォーカスがすっかり慣れたしね。

昨日は一眼レフで派手なシャッター音を鳴らしてガシガシ撮ってたけど、厳かなシャッター音と抜けのいいファインダーで撮るレンジファインダーはやっぱりいいなあと思う。カメラはなんでも楽しいし、じぶんらしく撮れればどんなカメラでもいいけど、こうしたカメラの種類をその違いも含めていろいろ試すのも楽しいよね。近ごろ、僕のまわりにも「フィルムを始めようかと検討している」というひとが少なからずいるんだけど、デジタルやってた僕からするとぜひ一度フィルムカメラを試してほしいと。デジタルもフィルムも同じカメラではあるけど、やはりそこは別物といっていい発見も多い。あと、フィルムで露出を意識することでデジタルの撮り方も少し変わると思うんだ。いまの先進的カメラも、そのメカニズムの根底にはフィルム時代にできあがったカメラの仕組みが流れているのがわかるからね。と、ビギナーがなんか偉そうに使用感を語ったけど、そうやってひとに思わず話したくなるくらいいいもんなんです、フィルムカメラって。もっとはやく出会えばよかったと思うけど、そこは猛烈なスピードでこれから挽回したいと思う。人生の反撃である☺︎。

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