空シャッター時の金属音は、フィルム装填で引き締まった音質に。メカニカルシャッター、Nikon F2。

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我が家のカメラ保管ケースに加わったNikon F2の試し撮りをこの週末に行ってみた。数日前から我慢できずに何度も部屋で空シャッターを切ってたんだけど、その時は甲高い音と共に金属の残響音がかすかに聞こえていたんだけど、フィルムを装填して屋外の雑踏のなかでシャッターを切ると金属的な残響音は鳴りを潜め、いかにもプロ仕様的な抑えの効いた音質へと印象を変えた。プロ機とはその本番の舞台でこそ真の姿を見せるんだなと感じた。そして、手に伝わってくる機械の密度のようなものがまた凄みがあるというか、いかにも堅牢でちょっとやそっとでは壊れないという自信みたいなものを撮り手に伝えてくる。このあたりの感触はカジュアルなミドル機であるNikon FEなどとは明らかに印象が違う。あとはレンズとの兼ね合いもあると思うけど、F2が記録する描写はいかにも報道の現場で使われてきたことを感じさせるシャープな印象。それでいてフィルムであり機械式である人間味も合わさる感覚は、僕にはとてもユニークなカメラにうつった。なんだろうな、にんげんに例えると、一見凄みのあるちょっと怖そうな人に見えるんだけど、内面は実にやさしくてその頼り甲斐であり器の大きさみたいなものを感じさせる”大人なカメラ”といったところだろうか。いずれにしても、手に入れてよかった、とジワジワ感じさせるものがこのF2にはある。その種類は、Leica M3と同じ匂いというか、静かに一生ものであることを撮り手に伝えてくる。そうやって考えると、このF2こそ若い頃から使ったほうがいいと思った。かつては若者には手の届かない高価なプロ機だったのだろうけど、今なら数万円でかなり程度のいいF2が手に入る。フルメカニカルシャッター機で露出を一から学び、そしてその後何十年もF2と歳を重ねていく写真人生はとても豊かなものだと僕に連想させた。僕はこれまで、フィルムビギナーは撮影が楽な絞り優先で撮れるFEなんかがおすすめと思ってたけど、最初から機械式カメラの最高峰と言われるF2を手にして、人生の最後まで使い倒すことのほうがいい、それが許される時代であることこそがF2を手にする醍醐味だと思った。僕はかなり遅れてきたユーザーになってしまったけど、M3同様、とことん使い倒して人生を挽回したいと思っている。

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