新型NSXとはどれくらい”俺たちのHONDA”なのか。

*写真/動画はすべてホンダNSX公式HP、公式YouTubeから
*写真/動画はすべてホンダNSX公式HP、公式YouTubeから

モーターショーでコンセプトカーを見てから数年、とうとう出てきたホンダのスーパーカー”新型NSX”。やはり車好きの僕ら世代としては書いておかねばなるまい。いつも通り、技術的な解説は他の詳細サイトを見てもらうとして、記憶カメラではとにかくエモーショナル目線でこの新型NSXを語ってみたいと思う。まずはつべこべ言わずにこの動画を見てほしいと思う。

なんすかこれ、僕らを殺す気ですか、心臓をえぐるエンジンサウンド、ヤバすぎるでしょ。いやあ、正直ルックスとか佇まいとかいろいろ気になる点も指摘しようと思ってたけど、僕はこの動画見て降参しました。僕らのホンダはやっぱり健在だった。今度の新型NSXは日本価格で2,370万円。国内の初年度販売予定台数は100台でフェラーリやポルシェも驚くスーパーカーぶりなんで、どんだけ凄いのか粗探しも含めて動画を見てやろうと思ったんだけど、いやあ、ホンダさん疑ってごめんなさい。これは凄いわ、マジで。

特にこのエンジン音、どんだけ凄いV10かV8なんだとスペック見たら、これなんとV6なんですね。正確にはV型6気筒 3.5L ツインターボ+モーター×3、最高出力581ps、最高速度307km/h…な、なんすかこれ?。V6でこのぶっ飛び具合は、化け物か。これはまさしくF1カーを走らせるメーカーのやる仕事、脱帽です。

僕らスーパーカー世代にとってのホンダとは、その後のF1界を席巻した常勝軍団マクラーレンホンダのホンダであり、天才ドライバー、アイルトン・セナとホンダの組み合わせはまさに日本のホンダが世界のHONDAになった誇らしい存在だった。それまで僕ら世代にとっては日本車といえばトヨタか日産のこと。でも、それはある意味オヤジ世代の車でもあって、その姿をそのまま追いかけるのはどこか抵抗があった。そんな僕らの前に登場したのが”ヤンチャなHONDA”だった。

当時のホンダはほんとに吹っ切れていて、セダンのアコードがスポーツカーでしか考えられなかったリトラクタブル(格納式)ライトを採用するヤンチャぶり。シビックは独創的なハッチバックデザインに高回転V-TECエンジン、そしてスペシャリティデードカーとしてのプレリュードは社会現象になるほどモテモテぶりの色気を放っていた。そして、F1常勝の真っ只中に出てきたのが2シータースポーツCR-Z、これがヤンチャHONDAのトドメだったなあ、僕らには。もう、若者たちのハートを撃ち抜いた。とにかく男たちは独創性に満ちたその暴れっぷりのHONDAに、惚れてたんだな。その一世を風靡したHONDA時代を締めくくるかのように登場してきたフラッグシップモデルが初代NSX、もう言葉を失うくらいクールだったよな。そこに至るまでの一連のムーブメントの高まりというかストーリーも見事だった。

ところが、その後のホンダはどこか元気を失ってしまう。それはまるでソニーと同じように見えた。ソニーもオヤジたち世代のナショナルに対抗して出てきた若者の象徴のようなブランドでひたすらカッコよかったんだけど、いつの間にかその座を失うほど元気を失って見え始めた。ホンダもそれにダブって見えていたのかもしれない。途中、軽のスポーツカーBEATやS2000なんかも出てきてはいたけど、どちらかというとステップワゴンとかフィットといったファミリーカーやミニバンをつくるメーカーにイメージが変わっていった。

そうして、僕らも歳をとり、どこか心の中で若き日のあのヤンチャなじぶんを復活させたいという深層心理と重なるように、その象徴だったブランドの復活を期待するようになる。「がんばれソニー」であり「がんばれホンダ」だ。つまり、僕らの中のホンダは、あの頃のヤンチャなホンダが今でも鮮明にイメージとして残っている。そして、そのホンダが復活すれば自分たちも再びヤンチャになれるんじゃないかという幻想かもしれないけど希望を持っている。だから、ホンダには”僕らのHONDA”として復活してもらわないと困る!と僕ら世代の誰もが思っていたと思う。そんな過度な期待に、ホンダもたまったもんじゃなかっただろうけど、まずはF1の世界に復活してきた。そうして、ついにこのタイミングでNSXを超ド級の内容で復活させてきた。これで、僕らの心が騒がないわけはない。僕にはとても買える金額の車ではないけど、このHONDAの存在や志がとても希望というか勇気というか夢みたいなものを再び僕らの心に点火したことは間違いない。そして、いま、日本経済をまわす僕ら世代のハートが高ぶることはもしかしたら多少なりともこの日本経済の復活にも少なからず影響を与えんじゃないかと思っている。いやあ、カッコいいよHONDA。心底、メイド・イン・ジャパンが誇らしいと久方ぶりに感動している。

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