小さなボディにギュッと詰まった精密機械の美しさ。オリンパスOM-1Nは工芸品かもしれない。

Pocket

Olympus OM-1N, Zuiko 50/1.4

なんでも実際にさわってみるもんだなと。特にカメラはそうで、僕の場合だとずっとNikon党だったから、他のブランドの一眼レフ機は触る機会さえ無かったんだけど、数ヶ月前にひょんなことからAsahi Pentax SPを手に入れることになり、そこから僕の中のブランドの壁がいい意味で崩れることになる。Pentax SPとSMC Takumarの組み合わせは、僕の想像を大きく裏切る素晴らしさだったのである。

以来、僕のカメラ選びは実にニュートラルだ。保有カメラとしてはNikon機やLeica機が台数こそ多いけど、ブランドやマウントに縛られないカメラ選びができるようになった。つい先日も初のOlympus機となるハーフサイズカメラ PEN EE-2を手に入れ、その綺麗な人のような佇まいと2枚1組の写真のおもしろさに魅せられた。そして、Olympusってなんかいいじゃないか、という感触が僕の中の深層心理に少し影響を与えることになる。

特に目的意識を持ってのぞいたわけではなかったんだけど、ふらりと立ち寄った中古カメラ店のショーケースの中に、なにかひときわ凛と輝くカメラを見つける。Olympus OM-1Nである。しかも、Zuiko 50/1.4が付いている。しばらくガラス越しに眺めてたんだけど、せっかくだから一度は実際に触ってみようと、店員さんにお願いしてショーケースから出してもらう。その際に店員さんが少し説明してくれた。OM-1は機械式シャッター機なんだけど、とにかく他のブランドの一眼レフ機より小さいと。実際に手に持ったら、どうかな、Nikon F2よりふた回りくらい小ぶりな感じ、もしかしたらNikon FM2やFEよりも小さいかもと思った。

けれど、単に小さいんじゃなくて、手の中にズシッとくる重さもある。なにやらギュッと中身の詰まった精密機械の感じ。何かに似てると思ったんだけど、そう、Leica M3を初めて触った時の感触にとても近いと瞬間的に思った。これは只者じゃないぞと。それも品があるというか、ハードなイメージが強い一眼レフの世界にあって、それとは少し様子の違う、美しさとか品とか端正とか、そういう言葉が似合う雰囲気をプンプンと放つ、一種独特の佇まいを感じたんだ。

店員さんに聞くと、そのOM-1は委託品だけど、前ユーザーの方は電気技師の人でじぶんでこだわりのカメラたちを丁寧に整備しているので、このOM-1Nもお店が販売するモノより整備が行き届いているくらいだという。各部を思いつくままチェックしてみたけど、たしかにすべての動きが滑らかで、ボディもレンズもとにかく美しい。とても大切にメンテしてきたんだろうなというのが伝わってくる存在感といえばいいだろうか。その時「フードが在庫であったりしませんよね?」と、このカメラを明日からでも使いたいんだけど、とでもいうような質問を店員さんにしている僕がいた。いや、まさか、在庫はさすがにないだろうと。フードが無かったらきょうのところは帰るつもりでいた。ところが、あったんだ、在庫が。で、装置してみたのが上の写真だ。これを美しいと言わず何を美しいというのか、そんな感じだった。

「シャッターを切ってみてください。それも独特ですから。」と店員さんにいわれ、シャッターを切ってみる。なんだ、機械式なのにこの上品で深みのあるシャッターフィールは!…そんな軽い衝撃。ファインダーも手入れが行き届いた美しさ。もうここまで来たら、このカメラとレンズを放って帰るわけにはいかなかった。そして、いまOM-1Nと一緒に帰宅の途についたところである。明日から三連休、まさにそこで使いたいと思ったから、帰りに家電量販店に寄り、レンズフィルターとアルチザン&アーティストのレッドラベルのストラップも購入した。空シャッターを何度も切りまくりたいところだけど、まずは愛犬の散歩へ行って、そのあとゆっくりとこのOM-1Nと対峙してみようと思う。ふー、なにやらいろいろ長きにわたり書いたけど、まあ沼的購入の言い訳です笑。でも、未体験な世界を確かめたい気持ちは止められないから、じっくり堪能してみようと思います。ようこそ、OM-1N君。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA