厳寒の中、僕は機械式ライカIIIaであったまった。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5, Fuji業務用100

それにしても、滅多にお目にかからない大雪だった。この程度で大雪と言ったら北国の人に叱られそうだけど、一年を通じてほぼ雪の降らないこの地域では交通網もちょっと麻痺するくらいだから、十分「大雪」だ。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5, Fuji業務用100

これだけ雪が降ると、普通ならカメラを持って外に出るのは故障しやしないかと躊躇するところだけど、僕には心強いカメラたちがいる。電気を一切使わない機械式カメラたちだ。Nikon F2、Leica M3、そして手に入れたばかりのLeica IIIa、わが家には三台の機械式カメラがある。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5, Fuji業務用100

これらのカメラは名機としてそのブランドイメージが先行するけど、その実力はいずれも戦場や探検など過酷な自然環境の中で信頼して使われてきた圧倒的な堅牢性が売りのカメラたちでもある。僕は迷わず手に入れたばかりで試し撮りを重ねておきたかったLeica IIIaを持って、吹雪が舞う近所の散歩道へ繰り出した。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5, Fuji業務用100

フィルムはいつものFUJI業務用100。IIIaの露出は予め露出計スマホアプリで確認し、絞りf8、SS1/200で固定して雪の積もった道を歩き始める。10cmは積もっていただろうか。僕がIIIaを持って出かけた時は、まさに大雪のピークで、激しい雪と横風でかなり過酷な状況でもあった。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5, Fuji業務用100

けれど、機械式カメラであるLeica IIIaなら不安はまったくなかった。零下の外気にふれても、IIIaはまったく調子を崩すことなく、ふだんは元気なシャッター音も、この雪の中では音が雪に吸収され、抑えの効いた軽快な音を奏でる。こういう感触はまさに黄金時代のライカの真骨頂といえるかもしれない。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5, Fuji業務用100

ヘッドホンで音楽を聴きながらゆっくりと撮り歩く冬景色は、なんだか時間が経つのを忘れるほど幻想的で、僕の心をワクワクさせた。現像してみると、まるで白黒写真のようなシンプルな色味の雪景色が確認できるのと、ILFORDのC-41現像の白黒フィルム XP2 400のような少し赤味や青味を感じる色合いであがってきて、なかなか興味深い試し撮りとなった。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5, Fuji業務用100

初日の試し撮りは沈胴式レンズの鏡胴をしっかり伸ばさず撮ってしまい、かなりのボケボケの写真になってしまったけど、この雪の日は試し撮りも3回目となり、どうやらまともには操作できるようになったのかピントもそれなりに合っていて、こらから普段の常用スナップカメラとして使えそうなことも分かり、その寒さとは裏腹に僕の気持ちはなかなかホットな一日となった。

やっぱり機械式カメラはいいね。そこには現代のカメラでは感じることのできない人間味をとても強く感じる。いろいろカメラが補正してくれる最新のデジカメには写真の精度では敵わないかもしれないけど、何も僕は精度の高い写真を撮りたいわけじゃない。じぶんがその時感じた光景の空気感のようなものを記憶したい、ただそれだけ。それだけであれば、機械式カメラは十分、いやスペックを超えた満足感を僕に提供してくれるのである。FUJI業務用100の描写の感じは少しつかめてきたから、次回はぜひ、いまお気に入りのLomography100か400を入れて残りの冬景色を記憶しておきたい。僕らしく。

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