Nikon F2

プロストをニコン巻し、空シャッターを切り、その時を待つ。

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土曜日の朝が来た。今朝の始動は散歩カメラといきたいところだけど、きょうはまず息子の授業参観に行くことからスタートだ。僕は趣味人である以前に父親だから。

シャワーを浴びる前に、カメラケースからNikon F2を取り出して、購入時にサービスでもらったプロストをニコン巻きで装着する。よく見るとプロストはまるで新品のように綺麗で、ちょうどF2の頃に市場に出ていたストラップとは思えない感じに少し嬉しくなる。僕はまったくもってプロストの似合う腕前なんかじゃないけど、F2同様にこうしてNikonの古き良き時代のプロフェッショナル感にふれることができるのは感無量というか、ジワジワと胸にこみ上げてくる何かがある。

そして、フィルム巻き上げレバーの感触を確かめながら数回空シャッターを切る。甲高く金属的な残響音が窓を開けた部屋の中に響く。なんというか、一気に時代が昭和へとタイムスリップする感覚に陥る。いかにもフルメカニカルシャッター機らしい、硬質なんだけど人間味のある存在感だ。とても男っぽいプロダクトだなとか思いながら眺めていたのだけど、ふと購入時に店員さんが言ってたことを思い出した。僕が中古カメラ店を訪れた時、実は同じようなコンディションのF2が2台同時に入荷していたらしく、一台は僕が買った。そしてもう一台だけど、こちらは数日前に23〜24歳くらいの若い女性が買っていったそうだ。なんか、かっこいいよね。フルマニュアルのNikon最後の機械式シャッターフラッグシップ機を手にした女性が同じ都市に住んでいるかと思うと、そちらのほうもなんだか嬉しくなる。

さてと、そろそろシャワーをあびて息子の学校へ行く準備をしよう。あと何年こうして授業参観に行けるかもわからないし、近ごろはなかなか生意気で言うことを聞かない息子ではあるけれど、まあやっぱり溺愛なわけで、カメラが大好きな父ではあるけれど、息子のことはもっともっと大好きなのである。週末の朝、少し幸福感を感じる朝である。

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