カメラがあれば、目の前の光景が少しだけシーンになる。

Leica M-P typ240, Planar T*2/50

日常は実はそれほど平凡ではないけど、だからといってそれほど劇的なことばかりでもない。いつもの道、いつもの人、いつもの看板。仕事で通り慣れたルートとかならなおさらだ。でも、カメラがあれば少し様子が違ってくる。いつもの道にも、その季節、その時刻、その時偶然に通りかかる人や車、そして微妙に変化する光と影。ファインダー越しに息を止めて切り取る風景は、意外といつもの道にも新鮮な表情があることを教えてくれる。スナップはそこがいい。何も絶景ポイントまで遠出する必要はないし、インスタ映えするようなフォトジェニックな場所に無理して出陣する必要もない。ただ目の前のいつもの光景を、少しだけ視線をずらしたり足を止めて写真に収めるだけだ。もちろんいい写真があがれば言うことないけど、いい写真かどうかは誰かに判断してもらうことじゃない。判断してもらってもいいけど、判断してほしい写真と、思わずシャッターを切るスナップの気持ちよさはイコールじゃない。スナップはそういう写真本来のよろこびみたいなものをあらためて考えさせてくれる。写真とは論理的じゃないものの塊のようなところがある。僕はそういうふわっとした写真の有り様のようなものが好きだ。そして、そこへ見る人のイマジネーションがのっかって画像は写真になると思っている。考えすぎるくらいなら、一枚でも多く撮りに出かける。スナップはいつもの光景を少しだけ、いつもと違う光景に現像してくれる装置なんだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA