はじけるシャッター音、ささやくシャッター音。

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これは比べるということではない。僕の所有するカメラで気持ちを切りかえる時の要素ということである。どちらも銀塩カメラだけど、一眼レフのNikon FE、そしてレンジファインダーのLeica M3、そのカメラが僕にもたらす撮影気分というのはやはり違う。なかでも特筆すべきはそのシャッター音の違いだ。Nikon FEはミラーが落ちる時のカチャーンという音がとにかく威勢がいい。当時のNikonのフラッグシップ機のFやF2と比べても、中級機のFEはカジュアルチープな金属音混じりの甲高い音が鳴り、周囲だけでなく撮り手までも驚かせるところがある。でも、僕にはこのはじけるシャッター音がやんちゃで嫌いじゃない。

それと比べるとミラーのないLeica M3は驚くくらい静かなシャッター音を奏でる。上手い擬音が見つからないけど、コトッという感じだろうか。調べてみると僕のM3は製造番号が75万台のまさに初期型。M3の中でも特に静かなシャッター音らしい。実際にすぐそばに人がいても、まずシャッター音で気にされることはない。というか、気づきさえしない。それくらい静かで、ささやくようなシャッター音というのがぴったりくる。僕はこのFEとM3を、撮りたい写真の違いで持ち替えるのもあるけど、聴きたいシャッター音の違いで持ち替えることが多い。きょうははずむような気分で撮りたいと思えばFE、いや気分的にはささやくように撮りたいなと思えばM3。それくらいシャッター音というのは、撮り手の心にダイレクトに響く。

一般的に一眼レフとレンジファインダーの差はファインダーの見え方やピントの合わせ方といわれるだろうけど、僕にはこのシャッター音の違いが大きいかな。視覚は分かりやすいけど、聴覚のほうが深く刺さるというかね。あと、一枚一枚”撮った”という感触を覚える一眼レフのシャッター音と比べると、レンジファインダーのシャッター音は一枚一枚の節目はなく、どちらかというと”続く”感じがする。そういう意味でもスナップ向きであり、ストーリーのある撮り方のカメラなのかもしれない。

さて、月曜日の朝。しばらくはこの2台とはお別れだけど、その間を平日用のスナップカメラKonica C35が埋めてくれる。C35のシャッター音については、またこんど。

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