フィルムカメラ

いま僕の中に「本当の写真ブーム」がやって来ている。

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Amazonで注文しておいた2冊の本が週末前に届いてくれたので、この土日は散歩カメラや息子との時間以外は、ゆっくりとこうした写真関係の本を読んだり、ネットでLeica M3やフィルムコンパクトの記事なんかを見つけて読んだりしながら過ごしている。ブログに使用した写真の本は菅原一剛さんの本で「写真がもっと好きになる。」という本とその続編「写真がもっと好きになる。写真を観る編。」。この本の存在を知ったのは糸井重里さんが主宰するおなじみ「ほぼ日」の特集コーナー”写真がもっと好きになる。”のワークショップ記事を読んでからだ。本のタイトルだけど句読点のマルが付いているのが、いかにもコピーライター糸井さんのコーナータイトルらしい。そして、そのほぼ日のコーナーから生まれた本らしく、そのまま本のタイトルにもなっている。僕は恥ずかしながらほぼ日を読むまでは菅原さんのことは知らず、プロフィールについてもこの本の巻末で知ったくらい。広告写真からCFまで手がける著名な、でもとても平易な言葉とあたたかい写真で僕ら写真ビギナーにもやさしく語りかけてくれる、僕にとってはとても尊敬すべき写真家でありアーティストだ。菅原さんが語りかける写真やカメラの話はぜひ、ネットのほぼ日かこの本を読んでほしい。本当に嘘偽りなく「写真がもっと好きになる。」から。

考えてみると、僕はデジタルの一眼レフを手にして写真を趣味にし始めてから、写真のことを学んだり、調べたり、有名な写真家のひとの作品をきちんと眺めたことがなかった。でも、近ごろフィルムカメラを始めてから少し様子が変わった。CAMERA magazineなどの写真雑誌を眺めるようになったし、こうして写真関連の本や写真家のひとの言葉や思考みたいなものを調べるようになった。そして、半世紀も前の取説すらないカメラを前に、操作方法や露出のこと、フィルムのことなんかもしぶんで調べるようになった。特におもしろいなと感じているのは、写真史において有名と言われる写真家たちの作品や生きざまのようなものを眺めたり読んだりすること。菅原さんの本も”写真を観る編”が特に興味深くて、この本はロバート・キャパやアンリ・カルティエ=ブレッソン、ダイアン・アーバス、ウイリアム・エグルストンといった著名な写真家たちの写真とエピソードが一冊にまとめられている。これまでブログやSNSにあげるじぶんの撮る写真にしか目が向いていなかった僕にはどれもが新鮮で、この週末はほんとうにワクワクしながらこうした本を読んでいる。そして、写真のこと、カメラのことをいまさらながら真っ白な初心で学んでいるのである。学ぶというと小難しく聞こえるけど、ほんとうにスポンジのように知識を得て、しかも楽しんでいる、そんな感覚だろうか。

それは、じぶんで分析するに、僕が自己流でデジタルで撮っていたのは画像であって写真ではなかったんだろうなという思い。デジタルで撮っていた時にどこかフィルムへの憧れみたいなものがあったのは「画像じゃなくて写真を撮りたい」という思いだったんじゃないかなと今は思う。そうして実際にフィルムカメラを手にして、僕は画像を撮る行為から写真を撮る行為へいま変化を遂げている最中なのかもしれない。過去の著名な写真家も、そして菅原さんの本の中の言葉にも、とにかく技術的なことより「思い」みたいなものが色濃く説かれている。そんな本や言葉を前にして、僕も写真のありようをもう一度再考したいなと考え始めている。誰に見せるわけの写真でもないけれど、写真を心底楽しむためには、そこに込める思いとか、写真が本来持つ光を捉えるという意味、そして被写体と向き合う目線の高さみたいなことに、もう一度向き合い直してみたいなと。これは写真との間を難しくしようとしているわけではなくて、むしろもっと素直にピュアに付き合ってみたいなということ。きょうは息子と二人で出かけた場所で息子を数枚撮った。他人から見たら何の変哲も無いシーンだけど、僕は思いみたいなもの、光、そして目線みたいなものを意識しながらKonica C35で撮ってみた。たくさんは撮らない、数枚だけ。きちんと撮れていたら息子と”あの日のあの時はこうだった”とかたわいのないことを話しながら眺めたいなと。写真はそれなりにテクニックとか慣れるためのたくさんの撮影回数はいると思うけど、それはInstagramにあげる画像なんかで練習はできる。僕は「画像じゃなくて写真」のことをこれからはあたまとからだに染み込ませていけたらいいなと考えている。さて、本の続きを読もう。

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