あのね、フィルムは素晴らしかったよ。

Pocket

たぶん僕への気遣いもあるのかもしれないけど、ここ最近、僕のツイートやブログを見て「フィルムをやりたくなったかも」というニュアンスの声をかけてくれる人たちがいて、それはなんだか発信していてよかったなと。そんな声を聞くと普通のことならそんなに強くおすすめしたりはしないのだけど、フィルムだけはちょっと別で、少し胸をはって「ぜひ一度試されてみてください☺︎」と答えている。僕なりにそれほど感動しましたというメッセージとして。

僕はデジイチも好きだし、GRも好き。でも、フィルムは間違いなくそれ以上に好き。これはね、フィルムで撮れる風合いのある写真が好きなことはもちろんだけど、フィルムカメラとの生活はもっと全体プロセスとして楽しさの幅がひろい、そんなニュアンスかな。例えばデジタルカメラだと僕の使い方の場合、撮った瞬間に写真を確認したら、場合によってはその場で写真をInstagramに共有したりブログを書く。時間にしたら数時間の出来事だ。でも、フィルムだとこの前後がかなりある。まずフィルムを事前に買う。このフィルム選びにしても感度の違い、カラーかモノクロか、ネガかポジか、フジかコダックか…実に多彩だ。そして、撮る前にカメラにフィルムを装填する。なんだか厳かな儀式だ。そうしてデジタルでは気にもとめなかった露出を計りながら一枚一枚丁寧に撮る。この時もオートのデジタルカメラとは違って、フィルムを巻き上げ、ピントをマニュアルで合わせる。それはもう”いま俺は撮ってる”というリアルな実感が濃密だ。そして撮った写真はその場では確認できないから、現像があがるまでワクワクは続くんだ。それは数日間かもしれないし、数年間かもしれない。いずれにしても撮った後に、それに負けない、いやそれ以上の感激の瞬間がまた訪れる、それがフィルムのプロセスなんだ。僕はこの撮る数時間におさまらないフィルムのプロセスがいまはすごく愛おしい。

あとね、フィルムがいいのは歴史を行き来する感覚かな。フィルムカメラを始めると、半世紀も前のカメラたちのことを少なからず調べ始める。これがまた楽しいんだ。昭和の時代に軽くトリップしたり、じぶんよりさらに年上の人生の先輩たちからフィルムカメラやレンズの歴史の話なんかも聞ける。中古カメラ店の店員さんなんかといろんなレトロカメラにふれながら話すと、ずっとその場にいたくなるほどの楽しいひと時を共有できる。そして、とても経験豊富なフィルムユーザーの皆さんの実に多岐にわたる経験談なんかも聞けるし、ネットを見ると大抵のフィルムカメラの問題は解決できるほどみんな詳しく古いカメラのことを語ってくれている。デジタルの新製品情報ももちろんワクワクするけど、このフィルムカメラの歴史を紐解く情報はほんと海のようにひろくて飽きることがない。どうかな、こんな素晴らしいアイテムを僕は他にちょっと知らない。

レトロカメラはまさにピンキリで高価なものは価値もあるぶんなかなか手に入れづらいものもあるけど、ほとんどのカメラは数千円から2万円くらいまでの間で手に入れられる。僕の場合だとそんな感じ。それでいて当時の日本のカメラやレンズのクオリティは尋常じゃないから、想像を遥かに超える味わいある写真が撮れるんだ。僕はこの世界に瞬間で魅了されて一気にライカをお守りのように手に入れたけど、日時使いのカメラはKonica C35でありNikon FEであり、それはまったくライカに引けをとらない楽しみが得られるんだ。若い人たちがフィルムに魅せられ、決して高価ではないフィルムカメラを上手に手に入れて使いこなしている様子を見ると、フィルムカメラってとてもいいなと心底思う。中古であることが前提だから、もはやカメラの価格とか機能とかはどうでもいいんだよね。そんなことより、じふんに合うフィーリングのものを選んで愛着を持って付き合っていく、それがフィルムカメラの愛らしいところ。どうかな、また少々長く語ってしまったけど、もっともっと紹介したいくらいフィルムカメラって素晴らしい。買うなんて決心する必要はまったく無いんで、まずは中古カメラ屋さんをのぞいて、あのチャーミングなレトロカメラを見て、さわって、そして店員さんと気軽なフィルムカメラ談義を楽しんでもらえれば素敵かなと思う。そこでピンときたらそれはまた素敵なことだし、あまりピンとこなかったとしてもデジタルカメラとの違いを肌で感じることはできるから、それもまた写真を愛する人にとっては有意義で素敵なことだと思うんだ。ちなみに僕にそれとなくフィルムカメラへの興味を語ってくれた人たちはやっぱりどこかアーティスティックな人たち。フィルムカメラの所作も含めて、その人たちには実にフィルムカメラが似合うんだよなと感じている。惹かれ合うんだろうね、アーティスティックなもの同士の何かがね。というわけで、しばらく僕はフィルムカメラの素晴らしさをこうしてブログを通して伝えていくと思う。もしかしたら、それは永遠に続くかもしれないけどね笑。沼じゃないよ、愛だよ、もはや。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA